第4-1章 配送センタ規模計算 入庫・在庫

Tera計算2自動 配送センタ規模計算 フロー図

配送センターの規模を決定するメイン工程である「Tera計算2」の構成と学習の狙いについて解説します。

1. Tera計算2の2つのアプローチ

「配送センターの規模計算」を深く理解するために、自動と手動の2通りの方法が用意されています。

2. ソフト構成の進化と初見

開発の初期段階では自動計算のみが想定されていましたが、それでは「物流機器の具体的な面積計算」という実務上重要なスキルが身につかないという課題が見つかりました。そのため、自ら計算ロジックをなぞることができるTera計算3(手計算ソフト)が追加され、現在の構成に至っています。

規模計算の全体フロー

Tera計算2では、以下のステップで配送センターの物理的な規模を確定させていきます。

  1. 入荷・在庫の推定: 出荷データに基づき、入荷物量と安定運用時の保管量を特定します。
  2. 物流機器スペースの算出: 割り付けた機器(自動倉庫、ラック、ソーターなど)が占有する床面積を算出します。
  3. 建屋仕様の決定: 階数やバース配置を含む建屋の縦横寸法をシミュレーションします。
  4. 敷地面積の算出: トラックの旋回通路や駐車場、緑地などを含めた最終的な土地の必要面積を導き出します。
フロー図

第2節 自動計算 規模計算用データ加工

Tera計算1とTera計算2のデータ加工の違い

同じ出荷データを使用しながら、目的によって加工の主眼が異なります。

項目 Tera計算1(出荷データ分析) Tera計算2(配送センター規模計算)
主な目的 ピーク物量の集計 必要保管規模の集計
重視する指標 最大出荷日の機器能力・作業負荷 全出荷日物量の平均値
計算の基点 最大出荷日 全出荷データの平均

⚙️ Tera計算2におけるデータ加工の特徴

配送センターの物理的なスペック(延床面積など)を決定するための重要なロジックが含まれています。

実務的なポイント

Tera計算2のランク設定キーはPL換算を採用している。

これは配送センターの面積比率が大きい保管スペースのパレット保管に着目しているため。

元となるデータは「T200」から得ているが、計算データは全出荷の平均を採用(Tera設定)している。

その理由は2点。

1.特定の出荷日を採用するとその出荷日に出荷していないアイテムが計算から漏れてしまう。

2.出荷の多い出荷日を採用すると配送センター規模が必要以上に大きくなる、平均より多い出荷日は安全在庫で補える。

Tera設定で全体データの平均を採用しているが、出荷日指定も計算できるのでTera設定を変更して規模の違いを検証いただきたい。

他の章でも書いているがケース出荷とバラ出荷を区分して別々に計算している。

これらのデータはバラ数とケース換算・PL換算・容積換算・重量換算を含んでる、これらのAccessデータを利用してTera計算以外の計算を試していただけるようテーブルを公開している。

Terak計算2データ加工画面

Tera計算2データ加工画面

第3節 在庫量の推定

Tera計算は「出荷するための在庫であり、在庫を確保するための入荷である」という理念に基づき、実績データに依存せず、出荷データから逆算して最適な在庫量と入荷量を算出します。

1. 在庫量の推定ロジック

在庫量は「在庫日数(出荷量の何日分に相当するか)」という単位で管理されます。

在庫管理の主要な指標

安定運用時在庫の計算式

2. 在庫量推定の具体的な計算手順

パレット(PL)換算を例に、以下の手順で算出します。

  1. 出荷物量の算出: アイテムランク別に指定日の出荷物量を算出します。
  2. 在庫日数の設定: 最大在庫日数と安全在庫日数を指定し、安定運用時在庫(日)を算出します。
  3. 在庫数量の確定: 「出荷量 × 安定運用時在庫(日)」で安定運用時の在庫総量を算出します。
  4. 積付方法の区分(重要): アイテム当たりの在庫量(PL換算)に応じて、パレットへの積み方を自動判定します。

パレット積付の判定基準

アイテム当たり在庫量 積付区分
0.5 PL 以上 単載(1パレット1アイテム)
0.33 PL 〜 0.5 PL 未満 2混載(2アイテム/PL)
0.25 PL 〜 0.33 PL 未満 3混載(3アイテム/PL)
0.125 PL 〜 0.25 PL 未満 4混載(4アイテム/PL)
0.125 PL 以下 8混載(8アイテム/PL)

実務上のポイント

在庫量の推定画面

在庫量推定画面

第1項 在庫の平均と安定時運用在庫の違い

フロー図1 フロー図2

左図はtera計算2の在庫量推定画面のフローである。

在庫とは、出荷のために事前に入荷し保管保管している商品、在庫量はその物量。

在庫量は在庫日数と言う単位でも表現できる、在庫日数は出荷量の何日分に相当する物量と意味。 Tera計算では在庫(日)で記されたものは在庫日数のこと。

最大在庫は在庫の上限値、これ以上の在庫はしない。

安全在庫は 在庫量の下限値で常に確保している在庫、入荷品の遅れや予想以上の出荷が有った時はこの安全在庫から出荷する。

最大在庫から安全在庫を引いた在庫が変動する在庫で、日々の在庫の変動はこの範囲で上下する。

注文点は仕入発注してから入荷されるまでの期間を逆算して設定された発注日の在庫で、この注文点の在庫を最小在庫と言う。 仕入担当者は在庫が減じて最小在庫になると仕入発注する。

最大在庫日数を守り保管規模を小さくするためには、各アイテムの入荷日を分散(変動する在庫6日分180アイテムあれば一日30アイテム入荷)する。安定運用時在庫=変動する在庫/2+安全在庫の管理をすることで、配送センター全体の在庫量を最小かつ一定に保つことが出来る。 Tera計算ではこの管理された在庫を安定運用時在庫と呼ぶ。

計算例で説明する。下記の図で出荷数10個/日とすれば、「最大在庫=出荷数*最大在庫期間=10*8=80個」

「在庫の平均=最大在庫/2=40個」、「安全在庫=出荷数*安全在庫期間=10*2=20個、入荷期間が2日であれば、「最小在庫=安全在庫+(出荷量*入荷期間)=20+(10*2)=40個」となる。

Tera計算の在庫計算は在庫の平均ではなく、下記の安定運用時在庫の計算を行っている。

「変動する在庫=出荷数*(最大在庫期間-安全在庫期間)=10*(8-2)=60個」

「安定運用時在庫=(変動する在庫/2)+安全在庫=30+20=50個」

上記の計算で考えると、最小在庫時に仕入発注を繰り返すと最大在庫=最小在庫となり、出荷の3日前から、1日分の仕入発注を毎日繰り返すと「安全在庫+出荷数*1日」が最大在庫となる。 賞味期間の短い牛乳の配送センターのように、安全在庫もなく当日入荷の当日出荷を行っている配送センターもある。

しかし大半の配送センターは、最小在庫の2倍以上の在庫(最大在庫)を持っている。

仕入数により仕入単価が違う事や商品確保、メーカであれば製造ロットの確保等、全社的メリットを顧慮して最大在庫が設定されている。

Tera計算は、配送センター側の都合だけで出荷量が担保できる在庫量を設定すると現状と合わない少ない在庫設定となるので、最大在庫と安産在庫を任意に変更できるよう工夫している。

注:安定運用時在庫はTera計算説明のために使用した用語で在庫用語ではない。また、在庫の平均も在庫用語の平均在庫と意味が違う。在庫用語の平均在庫は他の書籍で確認頂きたい。

第2項 在庫量推定

在庫量推定

出荷データから在庫量を計算する方法は前項で述べた。

計算例として、出荷データ2022/05/09から在庫量(PL換算)計算する手順を説明する。

1.アイテムランク別に2022/05/09の出荷物量算出(連番1-5)。

2.最大在庫数(日)及び安全在庫(日)で指定し(連番7-8)、安定運用時在庫(日)を計算、計算式は安定運用時在庫=(最大在庫(日)―安全在庫(日))/2+安全在庫(日)である(連番9)。

3.安定運用時在庫数量を計算、計算式は出荷量*安定運用時在庫(日)。

4.安定運用時在庫*出荷量で計算(連番10-14)。連番16-18は安定運用時在庫/アイテム数で算出。

5.この表計算のポイントは、パレット積付方法の計算。 単載積付はパレットに1アイテム積載、2混載積付はパレットに2 アイテムを積載で、混載積付は先頭数字がパレットに積載するアイテム数を示している。

単載積付と混載積付を区分する方法は、アイテム当たり在庫(PL換算)が0.5PL以上で有れば単載積付で、0.5PL~0.33は2混載積載、0.32~0.25は3混載積載0.24-0.125は4混載積載で、0.125以下は8混載積載として計算している。

混載積載のPL換算はアイテム数/PL積載アイテム数で算出する。

Tera計算では、バラ出荷のB行I_Dランクの出荷アイテム数に出荷していないアイテム数を加算している。 また、保管スペース計算時は上記計算の1.1倍(Tera設定)物量として計算している。

注:

この計算は出荷データのPL換算を単純集計した数値。

PL当たりの積載数を考慮必要がある。


第4節 入荷量推定

この資料は、物流センターにおける「入荷量推定」の考え方と計算ロジックを解説したものです。出荷データに基づき、在庫の変動サイクルを考慮して効率的な入荷計画を導き出す手法が示されています。

以下に、その主要なポイントを整理して解説します。

1. 入荷量推定の基本ロジック

入荷量は基本的に「出荷量」と同等であると考えます。ただし、毎日全アイテムが入荷するわけではなく、在庫の変動サイクル(入荷サイクル)に基づいて、まとめて入荷される仕組みです。

2. 入荷形態の判定基準

アイテムごとの入荷ボリュームによって、「パレット(PL)」「ケース」「バラ」のどの単位で入荷するかを判定します。

1アイテムあたりの入荷量 入荷単位 該当ランク(例)
0.5 PL 以上 パレット単位 GPLI_A1, A2, B
0.5 PL 未満 〜 0.5 ケース超 ケース単位 GPLI_C, D
0.5 ケース 以下 バラ単位

3. 入荷と出荷の特性の違い

物流センターにおける運用イメージとして、以下の対比が重要です。

4. 計算結果の例と留意点

資料内の計算例では、1日あたりの入荷物量を以下のように推定しています。

【注記】

この推定値は単純集計に基づくため、実際の運用にあたっては「パレットあたりの実際の積載数」や、センター側の都合(入荷曜日の指定など)による補正倍率を考慮する必要があります。

入荷量の計算画面

第1項 入荷量推定

入荷量推定の考え方

T810_全ケースバラデータIQは全出荷データの平均値より算出。

在庫は、最大在庫と安全在庫の間で変動する。

変動する在庫=最大在庫―安全在庫

変動する在庫日数=6日であれば6日サイクルで入荷し、入荷日に最大在庫となり、次の入荷日の入荷確定する直前は変動する在庫は0となる。

(理論的には在庫は安全在庫のみとなる)

入荷量=出荷量

入荷サイクル=最大在庫日数-安全在庫日数

入荷アイテム数=アイテム数/入荷サイクル

アイテム当たり入荷量が0.5PL以上で有ればパレット単位入荷。

0.5PL以下はケース単位入荷、

0.5ケース以下はバラ単位入荷とする。

GPLI_A1・GPLI_A2・GPLI_BはPL単位の入荷となり

GPLI_C・GPLI_Dはケース単位の入荷となる。

入荷量計算結果

入荷量計算結果

1日あたり入荷物量

111アイテムがパレット(PL)単位で190パレット入荷し、

281アイテムがケース単位で1437ケース入荷。

合計 392アイテム190PL+1437ケース入荷。

その時の容積は311m3

注:

この計算は出荷データのPL換算を単純集計した数値。

PL当たりの積載数を考慮必要がある。