第6章 Tera計算3_物流機器スペース計算

第1節 PL_Ass計算

パレット自動倉庫(PL_Ass)計算の概要

この機能は、パレット自動倉庫の格納能力と、それに伴う設置面積、さらに法規制に関連する「仮想床」の面積を算出するためのシミュレーションツールです。

1. 格納数と設置面積の算出

防火壁と「仮想床」の計算ロジック

日本の法規制等に関連し、自動倉庫の高さに応じて「仮想床」という概念を用いた面積計算が行われます。これは防火壁の設置基準(1,500$m^2$ごと)に大きく影響します。

仮想床の加算基準

棚の高さ(最上段カンチレバー上面)に応じて、以下の通り仮想床面積が加算されます。

最上段の高さ 仮想床の扱い
5m 未満 仮想床なし
5m 以上 10m 未満 仮想床 = 棚設置面積(荷役通路・点検路は除外)
10m 以上 15m 未満 仮想床 = 棚設置面積 × 2

防火壁の設置判断

導入・活用のメリット

パレット自動倉庫の計算画面

算出方法と防火壁(仮想床)

格納数と仮想床の算出方法

1基の格納数は列*連数*段数。

左記では基数・連数及び段数で格納数が算出され、設置面積が自動計算される。

棚仕様のTera設定を変更し「計算開始(再)」ボタンを押すことで、その変更値を反映して設置面積が計算される。

防火壁は1500m2ごとに設置されるが、5m単位に仮想床が加算さる。

例として

最上段カンチレバー上面が5m未満は仮想床無し。

最上段カンチレバー上面が5m以上10m未満は仮想床=棚設置面積(荷役通路。点検路は除外)。

最上段カンチレバー上面が10m以上15m未満は仮想床=棚設置面積*2)。

設置床+仮想床が1500m2ごとに防火壁が必要。


第3節 電動棚

電動棚(移動棚)の概要

電動棚は、電動台車の上にパレット固定棚を載せた構造で、台車を横に移動させることで荷役通路を共有できるシステムです。これにより、固定棚に比べて通路スペースを大幅に削減し、保管効率を高めることができます。

構造上の特徴

スペース設計とクリアランス

電動棚の面積計算では、機器特有のメンテナンススペースや通路の考え方が反映されます。

面積効率のシミュレーション例

資料内の計算例(4列 × 5連 × 4段 × 2PL = 160PL)に基づいた、1パレット(PL)あたりの占有面積の変化は以下の通りです。

条件 設置面積 1PL当たりの面積
補助通路を含めた場合 0.79 $m^2$/PL
補助通路を除外した場合 107 $m^2$ 0.67 $m^2$/PL

このように、通路の設計次第で1パレットあたりの保管効率が大きく変動するため、シミュレーションによる最適化が重要です。

計算画面

電動棚は、電動台車にPL固定棚を載せ、移動して荷役通路を共有。
台車高250mm分棚が高くなる。台車に載ったPL固定棚は第2節のPL固定棚参照

電動棚計算画面

PL寸法と隣接クリアランス

PL寸法と隣接クリアランス

PL寸法変更を反映して電動棚面積が再計算さてる。

補助通路は棚エリアと近接していれば必要ない。棚背面に制御盤があり400mmの隣接クリアランスが必要。

必要面積とPL当たり面積

必要面積とPL当たり面積

4列*5連*4段*2PL=160PL

電動棚1は1PL当たり面積は補助通路面積を入れた計算で0.79m2/PLと計算しているが。

補助通路面積を除外すると設置面積107m2となり0.67m2/PLとなる。


第4節 バケット自動倉庫

バケット自動倉庫の基本構造

バケット自動倉庫は、専用のコンテナボックス(バケット)を使用して多段・高密度の保管を行うシステムです。

棚の前面には入出荷コンベヤが設置され、以下のような作業が行われます。

設計寸法とクリアランス

Tera計算の設定値を変更することで、最新の設計に基づいた自動計算が可能です。

寸法の算出例

51型コンテナ(幅550mm)を使用する場合の標準的な計算例は以下の通りです。

項目 寸法設定例
棚幅(全体) 1,910mm (棚奥行555mm × 2列 + クレーン幅800mm)
建屋隣接クリアランス 200mm (建物壁面と棚の間の余裕)
基間クリアランス 150mm (クレーン2基を並列配置する場合の間隔)

棚の構成要素

棚は一律ではなく、構造上の役割に応じて「一段目」「最上段」「補強材有段」「通常段」といった区分で構成され、これらも計算に反映されます。

計算画面

バケット自動倉庫計算画面

写真見出し

バケット自動倉庫構成

1基当たり
棚2列と棚の間に搬送クレーンが走行。

棚はカンチレバー方式

カンチレバー方式

両棚支柱から板(カンチレバー)が伸びていて、その板をまたぐ様にコンテナボックスが保管されている。

走行クレーン荷役装置よりスライド板が棚に挿入され、コンテナボックスの底部を救い上げて棚より走行クレーに取り込む。

決められた寸法のコンテナボックスを使用、寸法が違う容器は保管できない、寸法が同じでも強度の弱い段ボールなどは保管できない。

入出荷コンベヤとピッキング

棚前部に入出荷コンベヤが設置され、作業員が入庫及び出庫作業を行う。 荷役通路も必要。

コンテナ単位出庫とバラピッキングがある。

バラピッキングは出庫されたコンテナからし商品をピッキングし、コンテナを再入庫させる。

棚構造の区分

棚構造は
一段目・最上段及び補強材有段と通常段にわかれる。

Tera設定数値を変えことにより
変更を反映して自動計算される

棚幅の計算要素

棚幅は
51型コンテナ550mm場合
棚奥行555mm*2列・クレーン幅800mmで1910mmとなる

建屋隣接クリアランスは200mm
クレーン2基の場合の基間クリアランスは150mmとなる。


第5節 ケース自動倉庫計算

ケース自動倉庫(SAS)の概要と特徴

ケース自動倉庫(SAS:Shuttle Automated Storage)は、1985年に登場して以来、700基以上の納入実績を持つ信頼性の高い物流機器です。近年では特許の制約がなくなったことで、多くの物流メーカーが販売を開始し、再び注目を集めています。

1. 高度な仕分け・順立て機能

2. 圧倒的な入出庫能力

棚の各段を高速な走行台車(シャトル)が独立して移動するため、従来のシステムを凌駕する能力を発揮します。

3. 作業効率の劇的な向上(ピッキング比較)

人手による作業と比較して、SASの出庫ステーションではピッキングスピードが大幅に加速します。

低流動出荷先・アイテムの効率化

配送センターにおいて最も機械化が難しく、手間のかかる「低流動(出荷頻度が低い)」領域の課題を、SASは一挙に解決します。

ケースとバラの混在連続作業

設計寸法と実務上の注意点

Tera計算では、以下の数値を反映した高精度なシミュレーションが行えます。

下記、赤枠部の低流動出荷先・低流動アイテムをケース自動倉庫に入れ、出荷先単位に混在出荷

低流動品の混在出荷

計算画面

ケース自動倉庫計算画面

ケース荷姿と格納数

ケース荷姿と格納数

格納ケース数の計算は、縦横高さが150-600までのケースなら全て格納できるため、一定の条件による計算になる。
左記表の条件で1基(2列*15間口*13段)の格納量は2000ケースになる。

左記表のTera設定を変更して格納量を変化を確認いただきたい。

ケース自動倉庫の動作

ケース自動倉庫の動作アニメーション

入庫ケースを庫内コンベヤから移載し、
棚間口へ搬送し、棚に格納

出庫ケースがある棚間口に移動、ケースを移載、
搬送して棚内コンベヤケースを降ろし、
垂直搬送機により棚外出庫コンベヤに移載

上記入出庫を50-60回/時間行うことができる。

平面レイアウト

平面レイアウト

ケース棚は前面及び背面に入出荷コンベヤを設置することが出来る。(上記レイアウトは前面のみ)
高さ2000mmピッチに歩廊を設置、トラブル停止時の出庫を可能にしてる。
最上段が5mを超えるごとに仮想床あるとして計算。

走行台車と棚間口高及び間口幅とケース保管数

間口ピッチ2710mm、間口当たり保管ケース数
300mm幅ケースは6ケース、400mm幅ケースは5ケース、500mm幅ケースは4ケース、600mm幅ケースは3ケース

間口とケース保管数

写真見出し

走行台車とレール

走行台車はレールより下方にオーバハングする構造、歩廊有間口と歩廊無し間口の寸法取り合いに注意。

Tera設定を変更可


第6節 フロー棚計算

フロー棚の基本構造と計算

フロー棚は、後方から入荷した荷物が傾斜によって前方(出庫側)へ流れる構造で、先入れ先出し(FIFO)に適した棚です。

⚙️ ピッキング効率と運用上の注意点

フロー棚の設計では、作業者の属性(身長など)やピッキング頻度を考慮することが重要です。

設計寸法(クリアランス)

計算画面

フロー棚計算画面

写真見出し

フロー棚構造

棚数=列数*連数
フロー棚は棚単体と連増し棚荷より構成
(連増しは隣の棚と支柱を共有している棚)

決まった棚幅にいろいろな寸法のケースが一時保管されるため棚充填率は非常に悪いと推察。

写真見出し

作業員の身長と棚の高さ フロー棚の段数と効率

最上段は取りづらいので出庫頻度の少ない商品保管
通常は女性がピッキングするので、踏み台用意するか
女性に合わせて最上段を低くする必要あり。

4段棚を3段にすると25%減となるため、ピッキング効率化か保管を優先するか悩みどころである。

建物との隣接クリアランス100mm


第7節 中量棚計算

中量棚の基本仕様と面積計算

中量棚の設置面積は、棚の具体的な寸法仕様(幅・奥行・高さ)と、配置する列数・連数を設定することで自動計算されます。

⚙️ 棚の充填率とアイテム管理

中量棚の保管能力を最大化するためには、アイテムのサイズに応じた柔軟な間口設計が重要です。

在庫日数と補充サイクルのシミュレーション

Tera計算では、在庫量推定計算に基づき、中量棚での在庫日数を算出できます。

計算例

以下の条件でシミュレーションした場合、中量棚で保持できる在庫日数は 14日分 となります。

実務上のポイント: 在庫エリアから中量棚(作業エリア)へ補充する作業負荷を考慮すると、作業エリアには 20日分以上 の在庫を保持できる設計が理想的です。

アイテム構成の推定(経験値に基づく計算)

出荷頻度(B・C・Dランクのアイテム)に応じた、在庫エリアと作業エリアのアイテム分散状況を推定します。

計算画面

中量棚計算画面

中量棚の仕様及び列数・連数を設定後、設置面積が計算される。

棚仕様及び列数・連数

棚仕様と設定

棚幅は、1800・2100・2400選択可
棚奥行は、300・450・600・900選択可
棚高は1800・2100・2400選択可
段数は3・4・5.6選択可
棚間口は2・8・4・5・6・7・8選択可

棚間口

棚間口の考え方

棚1段に何アイテム保管するかで、中量棚のアイテム数の保管アイレム数が決まる。間口は等間隔でなくても良いため、容積の小さいアテムと多きアテムを組み合わせることで棚の充填率を上げる。

保管対象アイテムは在庫保管エリアと中量棚設置の出荷スペースエリアの2か所に分散して保管される。

対象アイテム1000アイテムが
センター在庫日数=40日、センター在庫容積=100m3
中量棚有効棚保管容積=50m3、棚充填率=70%
中量棚有効棚保管容積=35m3の時
中量棚在庫日=(35m3/100m3)*40日=14日
在庫保管エリア26日。出荷作業エリア14日となる。

出荷作業エリア(中量棚)の在庫日数は、在庫エリアから出荷作業エリアへの補充する作業負荷を考えると20日以上の在庫持ちたい所である。

では上記の計算時、在庫保管エリアと出荷作業エリアの在庫アイテム数はどの様な構成になるか。

作業エリアアイテム数は1000アイテム
在庫保管エリアアイテム数790アイテム

在庫保管エリアは
減少アイテム数=(中量棚在庫日/センター在庫日数)*アイテム数*0.6
減少アイテム数=(14/20)*1000*0.6=210
上記計算は経験値をもとにした計算例である。

PL固定棚や自動倉庫高は3000mmをこうるため隣接クリアランス200mmだが、フロー棚・中量棚の高さは3000mm未満なので隣接クリアランスは100mmで良い。

センター全在庫量は下記表から得る

センター全在庫量

左記表は在庫量推定計算により得る。

中量棚対象アイテムはBバI_B・BバI_C・BバI_D

表の見方は在庫量推定計算参照


第8節 仕分機計算

仕分機(ソーター)の基本構成と寸法計算

仕分機の全体寸法は、大きく分けて「投入部」「中間部」「駆動部」の3つのセクションの合計として算出されます。

⚙️ 配置設計とスペース管理

仕分機本体の寸法が確定した後は、建物や他の設備との干渉を確認し、運用に必要な付帯スペースを計算します。

導入・活用のメリット

計算画面

仕分機計算画面

写真見出し

仕分機の構成

仕分機は投入部(前部)と中間部及び駆動部(後部)と分け計算する。

仕分機幅=全部+(中間部*中間部シューター数)+後部である。

シューター間の寸法及びシューターの長はカゴ台車設置寸法により決まる。

この仕分機本体寸法確定後、余白スペースや建屋・他の設備との取り合いを見て主賓待機スペースを計算する。

仕分機計算設定

Tera設定値を変更し、設置面積の変化を苦にいただきたい。


第9節 手仕分け計算

手仕分け計算の概要

手仕分けは、専用の自動化設備を導入するほどではないケースや、スペースの有効活用が必要な現場で行われる一般的な手法です。設置面積は、以下の要素によって変動します。

⚙️ 運用の特徴と対象

手仕分けは、配送センター内のデッドスペースや多目的スペースを柔軟に活用して行われます。

効率化のポイント

スペースの節約と作業動線の短縮には、運用面での工夫が効果的です。

計算画面

手仕分け計算画面

カゴ台車寸法・仕分通路及び出荷先数により設置面積が変わる。

手仕分けイメージ

手仕分け作業イメージ

手仕分けは、使用頻度の少ない通路や出荷待機スペースなど行われる事が多い。

仕分けの対象はケース出荷で自社。専用便が対象となる。宅配便はケースに出荷ラベルを張り宅配業者エリアに搬送するだけで仕分けの必要がない。

また、在庫エリアかた出庫した作業員がそのまま仕分けを行えば仕分け待機エリアの必要性もなくなる。


第10節 検品梱包計算

検品・梱包計算の2つのモデル

作業の厳密さや自動化の度合いに応じて、以下の2つのアプローチで面積を算出します。

  1. 検品梱包計算1(全数検品想定): すべての出荷物に対して検品と梱包を行う標準的な作業モデルです。
  2. 検品梱包計算2(検品レス想定): 配送センター規模計算(Tera計算2自動)に基づいた、効率化された「検品レス」のフローを想定しています。

⚙️ 第1項:検品梱包計算1(標準モデル)

このモデルでは、作業員の人数と処理能力に基づき、必要な作業セット数と面積を導き出します。

作業構成と面積算出の考え方

計算シミュレーション例

1時間あたり20,000個のバラ商品を検品する場合の算出例は以下の通りです。

項目 数値
1個あたりの検品時間 2秒
1セット(4名)の能力 1時間あたり 7,200個 ($3600 \text{秒} / 0.5 \text{秒}$)
必要セット数 3セット ($20,000 / 7,200 = 2.77 \dots$)
総必要面積 39 $m^2$ ($13 m^2 \times 3 \text{セット}$)

第2項:検品梱包計算2(検品レスモデル)

検品工程を簡略化、あるいは自動化することで、作業スペースと動線を最適化するモデルです。

第2項 検品梱包計算2

検品梱包計算2

検品梱包計算2イメージ

検品梱包計算2イメージ

写真説明
検品梱包計算1は全数検品梱包作業を想定、検品梱包計算2はTera計算(配送センタ規模計算)で採用した検品レスの作業を想定している。

検品レスの作業については、「第4章 Tera計算2自動 配送センタ規模計算の第7項 検品梱包バラPicフロー図」参照

第1項 検品梱包計算1

検品梱包計算1画面

写真見出し

検品体制

検品作業員4名、補助1名の作業を想定。

カゴ台車寸法や運用方法で作業スペースは増減する。

計算例:
時間当たりバラ数20000個を検品
検品バラ当たり2秒で検品、
1セット4名でばら当たり0.5秒で検品可能、
1セット当たり時間処理能力=3600/0.5=7200個

必要セット数=20000/7500=2.8セット=>3セット

必要面積13m2*3セット=39m2となる。

写真見出し

運用写真

写真説明

複数セット時の面積計算

複数セット配置の面積

写真説明